「フリーター、家を買う」を読みました。
 前にドラマ化されているのですが、当時見ていませんでした。これが初接触です。

 主人公は「今時の若者」。入社して3ヶ月して「俺の働く場所はここじゃない」とか言いつつ会社を辞めてしまい、再就職を目指すも再就職が見つからず、バイトは長続きしない。
 そんな主人公の母親が、重度の鬱病になってしまったことに気づいた主人公。責任の一端が自分にあると感じた主人公。就職して、母親がのんびり暮らせる家(のんびり生活できる環境に引っ越せば、病状はよくなるだろう……と主治医に言われている)を買うために、俺頑張るよ!
 ……みたいな感じの話です。

 読んで最初に思ったのは「なんちゃって鬱病を目指したい方の、最初の第一歩に向いていそう!」でしょうか。鬱病って必ずしもこうとは限らないんですけど、こういう鬱病あるよねー、って内容がじっくり描写されているので、なんちゃって鬱病患者を目指したい人が読むといいですよ。非常に参考になるかと思います。ただし、これを読んでもなお、なんちゃって鬱病患者をやりたい気持ちが残っていればいいですね。

 有川さんの作品には、割とよくある展開なんですが、主人公のサクセスストーリーなので一度軌道にのったら「えー、なんでそんな展開に? どしてそんなにうまくいくわけ?」ってなる本でした。つまらないわけじゃないんだけど、うーん……できすぎ展開、に見えてしまうのかな。
 主人公の就職、まではOKだったんですけど。就職後の展開がなー。仕事うまくいきすぎ。これは単に、主人公が「類稀なる力の持ち主なのに、その使い道を知らない、というだけの天才でした!」という扱いじゃないですか。再就職できたあと、こんなポンポンなんでもかんでもいろいろできなら最初のフリーター期間に何か閃いて起業してるんじゃないかなこれ……。たとえ当時主人公がダメ人間だったとしてもだ。ダメ人間でも天才ならそうなるわけで。そうならなかったから、凡人なのであって、こういう成功いきなりできるはずないでしょー、とか思っちゃう。
 なんか納得いかぬ。

 納得いかないといえば父親ですね。引越しするのなんて簡単なのに、引っ越さない。何度いわれても引っ越さない。でも最後に主人公が持ちかけた時は何故か応じる。
 なんでやーん。このタイミングで父親が急に引越しに同意する意味が分からない。このタイミングまで引っ越さないんだったら、永遠に引っ越さないだろこれもう……小説のエンディングだからそうなった、としか思えないシーンに感じられてしまって。ぬーん、納得がいかない。

 なんだか、イマイチです。中盤までは面白かったけれど、後半はご都合主義とか、ご都合展開って感じがして。有川浩さんの作品は、それを力技で押し切って「まあ面白いからいいじゃない!」ってところがあると思うんですけど、今回パワー不足で押し切れてないのでは、みたいな印象でした。

 でも途中までは面白かったので、最後うぬぬぬ……ってなる可能性があるって踏まえた上で、であれば、まあオススメいたします。

 ちなみに図書館で借りましたが、ドラマ化した割に有川さんの作品にしては予約待ち0、すぐに借りることが出来たんですよね、有川さんの作品は、割と何でも予約の順番待ちが必要って感じなのに。
 ……予約数って人気に比例するものではない、と思っていたのですが、この本を読み終わったら、なんとなーく納得しました。なるほどなあ、予約数って結構正直だわ。
 作者が有川さんで、ドラマ化もしているので、図書館においてあるところは結構あると思います。私のように図書館で借りるっていうのが、いいかもしれませんね~。
2013/02/09 (Sat) 19:58 | | コメントする(0) | Trackback(0)
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