エンドブレイカー! 真の終焉へ導く者 (朝日ノベルズ) エンドブレイカー関連書籍3冊目。
 エンドブレイカー! 真の終焉へ導く者を読みました。
 今度のは小説です。リプレイじゃありません。

 結論から。
 超おもしろかった!

 いや、これは面白いですよ。ヒロイックファンタジーの王道……ではないけれど、ファンタジー世界を冒険しつつ主人公が悩み、成長して、目的を達して何か(一応伏せておく)をやり遂げるという一連の流れは、冒険物としても主人公の成長物としても、非常に面白かったです。

●あらすじ
 都市国家の下層、打ち捨てられた土地のスラムに暮らす少女リル。
 彼女には、他人の運命、未来を見てしまう力があった。ある日、大切な幼馴染、ティートが仮面の魔物になってしまうという、悪い未来を見てしまうリル。そこに、リルと同じ力を持ち、その未来を変える事ができるという旅人、ヴェダが現れて……?

 というのが、ざっくりとしたあらすじ。この後はヴェダと一緒になってティートを救う旅に出るのですが、「運命なんだから仕方ないよ」「どうしようもないよ」という諦め少女だったリルが、「自分にも何かができる」という自信をどんどんつけていって、ティートを助けようとする姿は、なんというか、圧巻。
 見事でした。ここまですがすがしいくらい、気持ちいい主人公の成長物語って、最近久しく読んでいなかったので、とてもすごく面白く思いましたね。久しくと書きましたが、このくらいスカっと気持ちよく楽しめる主人公の成長物語、何があるかな。パッと思い出せません。それがまた、すごい。

 リルと共に冒険をし、成長する傍らにいるのは幼馴染のティートではなくヴェダなのですが、このヴェダがまたいい味を出しているんですね。オッサンなんですけど、気持ちのいいおじさま! って感じなんですよ。
 それに比べてティートは影の薄い役回り、と思いきや、後半になるとがっつり持っていきます。これもまた、すごいんですよ。間違いなく、この作品の中で一番苦労したのはティートだと思うんですね。
 暗く、落ちて行くところまで落ちていってしまうティート……と、それを引っ張りあげて救おうとするリル。2人の関係性、対比がたまらないのです。もうね、まさかこの本を読みながら涙ぐんでしまうとは思いませんでした。そのくらいグッときてしまって、どうにもならないくらい、たまらないシーンがあるんです。それがまた素晴らしくて、この作品のいいところ、ではないかと思います。
 
 途中、リル達が身を寄せる劇団での出来事がリルの成長を大きく手助けするきっかけになっていたり、そこからの発展がティートを救う為に役立ったりと、本筋から外れたように見えて、しっかり絡んでいて事態が発展するというのも、面白くて上手にできてるなあって印象です。
 最後の敵についてのオチ、登場人物たちのエピローグには、PBWを知っていると「ああ、そういうことなの!」なんていうネタもあったりしてまた面白い。細部までしっかり手がかかっていて、きっちり小ネタを振りまいたり回収したりというのも好きなところです。
 終わり方もすっきり綺麗で、とても好きですね。

 お値段1000円は、まあ最近の新書だとこんなものでしょうか……?
 個人的には新書は3ケタというイメージなので、1000円を超えているとちょっと高いかなというイメージは持ってしまうのですが、面白かったので「買って損した!」って気分には全然ならないと思います。
 ファンタジーが好きな人、主人公の成長物が好きな人、女の子がけなげに頑張る話が好きな人などには、かなり楽しめる内容なんじゃないでしょうか。と、面白かったので「オススメですよ!」と声を大にして言っておきます。blogだから声とか出ませんけど。ただの文字なんですけど。

 あ、オンライン版とかTRPG版とかありますが、そっちのルールは知らなくても大丈夫ですよ。この作品、基本的に主人公が何も知らないところからスタートするので、随所随所で必要な設定などが解説されていくのです。よって、読んでいて用語が分からないとか、そういった心配はありません。読んでいて、上手い設定だなあ、と思いました。小説だけで大丈夫なようになっているので、そこらへんは心配しないで手にとってみたらいいんじゃないかと思います。よー。

エンドブレイカー! 真の終焉へ導く者エンドブレイカー! 真の終焉へ導く者
著:藤澤さなえ イラスト:左

朝日新聞出版 2011-01-20
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2011/01/27 (Thu) 00:20 | | コメントする(0) | Trackback(0)
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