エンドブレイカー!リプレイ 天槍の国、空駆ける少女 (TOMMY WALKER TRPG) 2巻を読んだので感想を書こうと思ったら、そもそも1巻の感想を載せていなかったので1巻から順番に感想を書いてみようかなーの試み。

 この作品は、TRPG(テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム。FFやDQをボードゲームのように遊ぶゲームだと思いねい)のプレイ風景を収録し、その内容を書き起こした「リプレイ」と呼ばれる本です。小説よりは脚本に近いですね。エンドブレイカーはTRPGの他にオンラインゲームでもリリースされていますが、ルールは共通。どっち遊んでいる人が読んでも大丈夫、となっています。

 さて、この本は、ゲームマスターというゲームの進行を管理するひとと、その人と一緒に遊ぶプレイヤー4名、合計5名でのプレイ風景を書き起こしたものです。
 キャラクターは全員「エンドブレイカー」という、人の未来を見ることができる超能力者。その能力で知った、悲劇的な未来(怪物に襲われて人が死ぬ……とか)を、回避するために奮戦するというのが、ゲームの基本ライン。キャラクターたちはそれぞれ剣の技が使えたり、格闘技が得意だったり魔法が使えたりと、いろいろな能力を持っていて、それを駆使して戦います。まあ、その辺は、一般的なRPGと同様ですね。

 この本はリプレイの第1巻となり、プレイヤーがそれぞれ自分のキャラクターを作成し、冒険をスタートさせるところからが描かれています。自分以外の人が、どんな風にどんなキャラを作っているのか、というのを見るのは意外と面白いことのような気がします(笑)あー、そういうキャラ作っちゃうのか~、みたいな(笑)
 その後、キャラクターたちが出会って冒険をスタートさせるわけですが、キャラクター達の強烈な個性が、個性的すぎてわけのわからない混乱とか、突飛さとかを呼んでいるのも傍から見る分には大変楽しい(笑)ゲームマスターが「こんなの想定外だよ」とぼやいていると、ちょっと同情的な気分になりますけどね。

 内容は、運び屋として働くようになったキャラクターたちが、その仕事をこなしつつ、知り合った運び屋「ニケ」の悲劇的な未来を回避するために奮戦するという内容になっています。
 このニケちゃんがまた、かわいくて健気でいいキャラなんですよね。助けてあげたくなるというか、読んでいて「なんとかしてあげて!」と思っちゃう感じといいますか。
 冒険の舞台となる街はタワー型をした多層国家で、下の住民は階層が低く、上の階層は貴族とかが住んでいるという設定になっているのですが、スタート地点は最下層、でも事件の解決には上層へ行ってあれやこれやしなければならない、というものになっていて、いかに上層につなぎをとって事件解決にアプローチするのか、なんて部分を工夫しないといけないような感じになっているのも面白い。ファンタジー世界の冒険なのに、基本シティアドベンチャーなんですよね。
 でも、そこに強烈な各キャラクターの個性がかぶさるので、キャラクターらしさを追求してプレイした結果、必要な情報が得られなくて苦戦する……なんていうのは、キャラクター性とゲーム性の両立は大変なんだなあ、なんて思わされたりもして(笑)

 戦闘など、重要な場面ではダイスを振って、成功するかどうかなどをチェックするので、ダイスの出目によって悲喜こもごもがあるのも読んでいて楽しいですね。キャラクターの一人、ネムという女の子がダイスを振ると、攻撃したいのに攻撃できる目が出なくて、しょんぼり……なんて場面があったりして、ゲームだから仕方ないんでしょうけど、一緒になってジリジリしたり、「あーっ!」と叫びたくなったり……(笑)

 ストーリーが推理物になっているので詳しい内容には触れませんが、キャラクターたちが(いい意味で)好き勝手フリーダムに行動しつつ、冒険を進めて行って、得た情報から推理して、謎を解き明かして犯人を追い詰めようとして行く……という流れは、なんといいますか、王道だけれどだからこそ面白い!と感じますね。
 プレイヤーがいるTRPGだからこそなのか、プレイヤーの感想と読んでいる自分の感情が被ったりシンクロしているように感じたりすると、自分もその場にいて、一緒に冒険しているかのような感覚も味わえます。
 自分も登場する人たちと同様にストーリーを楽しめる、というのは小説では味わえないことで、TRPGのリプレイとの差異かな、と思います。
 私は普段、TRPGのリプレイをあまり読まないのですが、この部分はストーリーを追うだけの小説に間違いなく勝っているのではないかと。ストーリーを追う+自分も冒険しているような感覚を味わえる。一粒で二度美味しいといいますか(笑)これはリプレイの面白い箇所だと思います。

 キャラクターが非常に魅力的なこと、に加えて、ミステリー仕立てなのが私にとってツボったんでしょうね~。いや、ミステリーとしてしっかり良くできていると思うんですよこれ。だから読んでいてすごく面白かったですもん。
 講談社ノベルスのライトな感じのミステリー、あるいはBOXで出ているやつとか、ラノベの推理作品とかが好きな人には絶対相性いいと思います。
 1500円と、新書にしてはちょっとお高いところだけが残念ですが、面白さ的には買って損なし、かなと思います。

 あ、ちなみに私はシャノ(表紙右上)が好きです。一番自由気ままに好き勝手やってて、その行動がまたとっても面白いんだ……(笑)

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2011/01/23 (Sun) 14:18 | | コメントする(0) | Trackback(0)
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