ステーションの奥の奥 (ミステリーランド) 今度のはミステリーランドから、山口雅也「ステーションの奥の奥」です。
 まず、先に結論から。
 すごく面白かった!
 タイトルが地味ながらも興味がわく物だったので、結構期待していたんです。
 呼んでみたら、期待していたのとは、ちょっと違う内容のストーリーでしたけど、でも、とても面白かったです。
 ただ、「どこが面白かったか」を書いてしまうと、ネタばれになってしまいそうで、書けないのが歯がゆいところです。
 とりあえず、ネタばれになるのを避けつつ紹介。

 主人公は、推理小説好きな小学生。最近、吸血鬼小説を読んだ主人公は、将来なりたいものに「吸血鬼」と書きました。
 ところが、街は今「吸血鬼事件」が起こっている事から、先生達から変に心配されて、主人公はカウンセラーのカウンセリングを受けさせられてしまうことになってしまいます。
 叔父と一緒に面談を受け、それをやり過ごした主人公は夏休みを迎えます。両親からの言いつけで、来週から夏期講習に行く事になってしまった主人公は、自由研究のためにと口実を作り、東京駅について調べるため、叔父さんと一緒に東京駅直結の「ステーションホテル」に向かいます。
 そこで彼らは、今は使われていない閉ざされた通路、「ステーションの奥の奥」について知り、そこに忍び込むのですが……。

 という感じで、冒頭は主人公や周囲の人の紹介シーンを織り交ぜながら「作文とカウンセリングについて」のシーンが描かれ、その後で、タイトルにもある「ステーション」、つまり本題となる駅のシーンへと移行します。

 一見、本題に入るまでの小説が長いと感じる構成です。
 でも実は、こういったシーンの全てが複線になっていて、終盤に進むと「なるほど!」と唸ってしまいます。
 序盤から最後まで、とても読みやすくて分かりやすい男の子の視点で進むので、一見冗長に思えるシーンもするする読める事もプラスですね。ここで飽きたり、もしも読み飛ばしてしまったら、面白さは半減どころじゃないですから。

 ちょっとファンタジーが入っているので、本格とか、新本格が好きな人には「ファンタジーが混ざった時点でまともな推理なんて出来ないんだから、こんなん推理小説じゃない」と言われそうな内容だとも思うんですが、私はこういうミステリー小説が大好きです。
 謎解きという要素が入っていて、そして面白いなら、それでいいと思うんですよね。
 これは、そういう意味で、とても楽しい本でした。
 あと、ミステリーに興味を持った子供が最初に読んでみる本に、とても向いていると思います。面白くて、でもって、他のミステリーも読んでみようと思える内容になっているから。

 ……そういえば、私が一番印象に残っている本も「ファンタジーが入ったミステリー」だったなぁ。
 そう思うと、ちょっと懐かしくなってきます。
 今度、探して見つかったら、もう1度読んでみようかな。

 そんなわけで、ちょっと逸れましたが、ミステリーランドの中でも、個人的にはかなり上にランクされる1冊でした。

ステーションの奥の奥 (ミステリーランド)ステーションの奥の奥
山口 雅也


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2007/08/26 (Sun) 01:19 | | コメントする(0) | Trackback(0)
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