エンドブレイカー! リプレイⅡ 悪逆の仮面、探求者の系譜 (エンドブレイカーリプレイ2アクギャクノカメンタンキュウシャノケイフ) 第1巻の感想はこちら。

 というわけで、TRPG「エンドブレイカー」のリプレイ2巻を読みました。
 前回の続編という事にはなっていますが、1巻の事件は1巻だけで完結しているので、2巻は「同じキャラが登場する別の事件」を解決する内容となっています。
 短編が1つ、中編が1つ。2つの話が読めるので、そういう意味では、ちょっとお得感があるかもしれませんね。


 さて、内容ですが。まず最初に掲載されている短編は、キャラクター達が働いている運び屋の仕事の最中に訪れた、鍛冶屋の後継者争いにまつわる悲劇的な未来(鍛冶屋の現在の店主が殺される)を、回避するために奮戦するというもの。
 後継者の座を争う2人の青年と、ふたりを案ずる鍛冶屋の娘……とくれば、これはもう恋愛ドラマなんかがあるのは当然ですよね!(笑)
 というわけで、人の死がかかっているのでシリアスと言えばシリアスなのですが、そこまでシリアスな雰囲気ではなく(キャラクター達の個性的な言動も影響しているのかもしれませんが/笑)、ライトコミカルなシティーアドベンチャーとなっています。
 戦闘もそんなにないんですが、その分「キャラクター達の日常」って感があって、こういう話が好きな私としては、なかなか楽しんで読むことができました。

 そこから続く次の話は、遺跡発掘にまつわるストーリー……なのですが。
 キャラクターの一人、場末の酒場でグダグダやってたダメ男ことケイスの過去(というより、生い立ち)が絡んできたりして、ケイスの過去を知らないほかのキャラクターたちと一緒になって「そんな過去だったのか!」と驚いたりニヤニヤしたり笑ったり(笑)しながら楽しめる内容になっています。

 2巻は1巻の続きではなく、話が独立していると書きましたが、できるだけ1巻から続けて読むのがオススメです。先の短編があるので、ケイスのキャラはある程度つかんだ状態でこの話を読めるとは思いますが……。1巻冒頭のケイスのダメな人っぷりとか、1巻の各所で見れたケイスのキャラ性を掴んだ上で読んだ方が、この話の冒頭のインパクトはより大きく、楽しめると思います(笑)
 あと、「俺に○○がいるとは知らなかった」とケイスのプレイヤー本人が口にしていたりするのは、TRPGならではですね。

 で、ケイスの過去に驚いたり、ケイスの家族なんかとの関係などを見てニヤニヤしちゃったりしつつも(笑)それはあくまで序盤、プロローグのこと。ストーリーはシリアスに、何か大発見が眠っているかもしれない遺跡を巡って進行していきます。
 この話は遺跡がキーになっていますが、やはり基本は謎解き推理物。事件の犯人は誰なのか……と探る流れは、なるほどなるほど、うまく作られているなあと唸りたくなります。
 今回、キャラのダイスの目が奇跡的といえるほどよくて、割とあっさり結末にたどり着いている感はあるのですが、そうでなければ骨太の手ごわい謎なのではないのかなあ、なんて思ったりします。
 それを、ダイス運でころころころーっと軽くこなしていっちゃうというのは、TRPGじゃないと楽しめない展開といえるかもしれませんねー。

 読み終わってから、序盤をもう一度読んだりすると、ケイスの過去と今回の事件をすごくうまく組み合わせていて、なるほどなるほど、面白いなあと唸らされてしまいます。この部分はゲームのシナリオというより、物語の組み立て方が上手い、巧みだな、と率直に思います。
 1巻も面白かったけど2巻も面白い。とても楽しく読み進められて、寝る前にちょっとだけ……のつもりが、最後まで読みきってしまったくらいです。寝不足になりましたが、面白かったので悔い無し!(笑)

 お値段は今回も1500円。やっぱりちょっと、高いなあという印象はありますが、この面白さならば元は取れるかなー、とは思いますね。私のように、普段こういった「リプレイ」を読まない人間でも十分に楽しめる内容ですので、そういった意味では、同様にリプレイ読まない人も身構えず、すっと手にとって読みに入りやすい作品じゃないかなあ、と思います。オススメです。

 あ、1巻から続けて読むのがオススメですが、2巻から読み始めるという方は、用語解説などが入っていないので、オンラインの解説ページなどを読んで、ざっくりゲームの内容を掴んでおくといいかもしれません。
 独自用語などが出てくるので、?マーク浮かべながらになってしまうと思うので。
 1巻ではそのあたりフォローされているので、1巻から読むなら、あまり心配ないと思います。

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2011/01/23 (Sun) 14:51 | | コメントする(0) | Trackback(0)
エンドブレイカー!リプレイ 天槍の国、空駆ける少女 (TOMMY WALKER TRPG) 2巻を読んだので感想を書こうと思ったら、そもそも1巻の感想を載せていなかったので1巻から順番に感想を書いてみようかなーの試み。

 この作品は、TRPG(テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム。FFやDQをボードゲームのように遊ぶゲームだと思いねい)のプレイ風景を収録し、その内容を書き起こした「リプレイ」と呼ばれる本です。小説よりは脚本に近いですね。エンドブレイカーはTRPGの他にオンラインゲームでもリリースされていますが、ルールは共通。どっち遊んでいる人が読んでも大丈夫、となっています。

 さて、この本は、ゲームマスターというゲームの進行を管理するひとと、その人と一緒に遊ぶプレイヤー4名、合計5名でのプレイ風景を書き起こしたものです。
 キャラクターは全員「エンドブレイカー」という、人の未来を見ることができる超能力者。その能力で知った、悲劇的な未来(怪物に襲われて人が死ぬ……とか)を、回避するために奮戦するというのが、ゲームの基本ライン。キャラクターたちはそれぞれ剣の技が使えたり、格闘技が得意だったり魔法が使えたりと、いろいろな能力を持っていて、それを駆使して戦います。まあ、その辺は、一般的なRPGと同様ですね。

 この本はリプレイの第1巻となり、プレイヤーがそれぞれ自分のキャラクターを作成し、冒険をスタートさせるところからが描かれています。自分以外の人が、どんな風にどんなキャラを作っているのか、というのを見るのは意外と面白いことのような気がします(笑)あー、そういうキャラ作っちゃうのか~、みたいな(笑)
 その後、キャラクターたちが出会って冒険をスタートさせるわけですが、キャラクター達の強烈な個性が、個性的すぎてわけのわからない混乱とか、突飛さとかを呼んでいるのも傍から見る分には大変楽しい(笑)ゲームマスターが「こんなの想定外だよ」とぼやいていると、ちょっと同情的な気分になりますけどね。

 内容は、運び屋として働くようになったキャラクターたちが、その仕事をこなしつつ、知り合った運び屋「ニケ」の悲劇的な未来を回避するために奮戦するという内容になっています。
 このニケちゃんがまた、かわいくて健気でいいキャラなんですよね。助けてあげたくなるというか、読んでいて「なんとかしてあげて!」と思っちゃう感じといいますか。
 冒険の舞台となる街はタワー型をした多層国家で、下の住民は階層が低く、上の階層は貴族とかが住んでいるという設定になっているのですが、スタート地点は最下層、でも事件の解決には上層へ行ってあれやこれやしなければならない、というものになっていて、いかに上層につなぎをとって事件解決にアプローチするのか、なんて部分を工夫しないといけないような感じになっているのも面白い。ファンタジー世界の冒険なのに、基本シティアドベンチャーなんですよね。
 でも、そこに強烈な各キャラクターの個性がかぶさるので、キャラクターらしさを追求してプレイした結果、必要な情報が得られなくて苦戦する……なんていうのは、キャラクター性とゲーム性の両立は大変なんだなあ、なんて思わされたりもして(笑)

 戦闘など、重要な場面ではダイスを振って、成功するかどうかなどをチェックするので、ダイスの出目によって悲喜こもごもがあるのも読んでいて楽しいですね。キャラクターの一人、ネムという女の子がダイスを振ると、攻撃したいのに攻撃できる目が出なくて、しょんぼり……なんて場面があったりして、ゲームだから仕方ないんでしょうけど、一緒になってジリジリしたり、「あーっ!」と叫びたくなったり……(笑)

 ストーリーが推理物になっているので詳しい内容には触れませんが、キャラクターたちが(いい意味で)好き勝手フリーダムに行動しつつ、冒険を進めて行って、得た情報から推理して、謎を解き明かして犯人を追い詰めようとして行く……という流れは、なんといいますか、王道だけれどだからこそ面白い!と感じますね。
 プレイヤーがいるTRPGだからこそなのか、プレイヤーの感想と読んでいる自分の感情が被ったりシンクロしているように感じたりすると、自分もその場にいて、一緒に冒険しているかのような感覚も味わえます。
 自分も登場する人たちと同様にストーリーを楽しめる、というのは小説では味わえないことで、TRPGのリプレイとの差異かな、と思います。
 私は普段、TRPGのリプレイをあまり読まないのですが、この部分はストーリーを追うだけの小説に間違いなく勝っているのではないかと。ストーリーを追う+自分も冒険しているような感覚を味わえる。一粒で二度美味しいといいますか(笑)これはリプレイの面白い箇所だと思います。

 キャラクターが非常に魅力的なこと、に加えて、ミステリー仕立てなのが私にとってツボったんでしょうね~。いや、ミステリーとしてしっかり良くできていると思うんですよこれ。だから読んでいてすごく面白かったですもん。
 講談社ノベルスのライトな感じのミステリー、あるいはBOXで出ているやつとか、ラノベの推理作品とかが好きな人には絶対相性いいと思います。
 1500円と、新書にしてはちょっとお高いところだけが残念ですが、面白さ的には買って損なし、かなと思います。

 あ、ちなみに私はシャノ(表紙右上)が好きです。一番自由気ままに好き勝手やってて、その行動がまたとっても面白いんだ……(笑)

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2011/01/23 (Sun) 14:18 | | コメントする(0) | Trackback(0)
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