今回の本は、講談社ミステリーランドから、法月綸太郎さんの「怪盗グリフィン、絶体絶命」。
 法月さんの本は1回読んでみたいと思っていたのですが……その。タイトルがこう、私の好みから外れていたので、ミステリーランドの中でも後回しにされていたという、ちょっと申し訳ない1冊です。
 いやその、なんていうか。
 こういう直球ストレートで、かつこういう表紙って、いかにも~な感じがして、なんとなーく敬遠していたのですよね、はい。

 で、読んでみたらどうだったかというと……。
 読まず嫌いはいけないね、という結論になったのでした(苦笑)。

 さて、この本のあらすじ。
 タイトルからも解るように、主人公の名前は怪盗グリフィン。保険会社から頼まれて、美術品の窃盗事件に対処したりとかしている、そんな怪盗の青年です。
 そんなグリフィンの元に、ある日もたらされた依頼は「美術館にあるゴッホの自画像を、人知れず入れ替えて欲しい」というもの。
 依頼を受けたグリフィンは、計画を練って美術館へと向かうのですが……。

 ……といった流れで始まるストーリー。
 この美術館での事件の後「絶対絶命」に陥ったグリフィンは、やむなく盗みを働く為に、とある島へと向かうのでした。
 そこでまた、グリフィンに迫る絶体絶命。
 それを潜り抜けたら、やっぱり絶体絶命。
 そんな怪盗グリフィンを待ち受ける結末とは!?

 といった調子で進む冒険活劇です。
 タイトルを見くびっちゃいけませんね。絶体絶命を上手く潜り抜けるところが面白い。「切り札は最後まで取っておくものだ」というセリフが、登場人物たちの間から何度も出てくるのですが「本当に本当に最後まで切り札を温存してたのはだーれだ」って感じで楽しいです。
 いやあ、タイトルとか表紙とかで読まず嫌いしちゃダメですね。これは面白かったです。
 ミステリー要素をたっぷり含みながら進んでいく冒険活劇なので、ついつい目が離せなくなってしまって、気が付いたら一気に読んでました。

 事件がくるくる引っくり返ったり、「よし、成功!」と思ったら、次の瞬間に「あれ?」って展開になってたり……。
 ミステリーのミステリーらしさを色々と楽しめました。
 オススメです。

 そういえば、ミステリーランドシリーズには「わたしが子どもだったころ」という、作者の後書きページがあるんですが、この作品の文章が、とても素敵でした。
 なので、ちょっと引用してみます。
「わたしが子どもだった頃『エルマーの冒険』という本を、夢中になって読みました。あまりにも面白かったので、すべての場面を暗記するぐらい、何度も読み返しましたが、作者の名前はおぼえていません。
 この本も、そんなふうに読まれればいいと思っています」
 ……とっても素敵だなぁと、胸の奥底からじんわりと思うのでした。

怪盗グリフィン、絶体絶命怪盗グリフィン、絶体絶命
法月 綸太郎


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2007/06/29 (Fri) 01:03 | | コメントする(0) | Trackback(0)
カクレカラクリ—An Automaton in Long Sleep「読みたいと思っていたけど読んでいなかった本」を適当にリストアップして、読んでみるのって、やっぱり楽しいなぁ。

 という訳で、読みたいと思ってるのに読んでない本の中から、今回読んでみたのがこれ。
 森博嗣さんの「カクレカラクリ」です。
 この本は「コカコーラ120周年」にちなんで執筆された本で、コカコーラ120周年特別ドラマとして、去年テレビで放送された2時間ドラマの原作という位置付けです。
 ドラマの方は、ちゃんと見る事ができなかったので、そのうち本の方でしっかり読んでみたいと思っていた1冊なのです。

 あらすじは、簡単に書くと「夏休みの大冒険」になるのかな。

 山奥の村に伝わる「カクレカラクリ」の言い伝え。
 そして、カクレカラクリを求める、2つの一族の確執。
 120年の時を越えて今年蘇るというカクレカラクリ。果たして本当に実在するのか? 実在するとしたら、カクレカラクリは一体どこに?

 ……といった感じで、タイトルにもなっている「カクレカラクリ」の調査を軸に進んでいくストーリー。
 なので、ミステリーといっても、事件が起きるというよりは、探検とか調査とかがメインな感じ。
 ドラマ企画だった事もあるのか、他の作品に比べて森節が弱い(笑)のもあって、するするっと読み終わりました。
 劇的に「これはすごい!」って叫ぶような場面は無かったけど、冒険小説+青春小説、って感じで楽しかったです。
 講談社ノベルスよりも、ミステリーランドに近いというか……。
 最後の、エピローグ部分がいい具合に物語を引き締めてるのかなーと思いつつ、スッキリとした読後感でした。

 ……タイアップしてるから仕方ないんでしょうけど、コカコーラはちょっと連呼しすぎかな(笑)

 ちょうど、時期的にも、夏休みのお供にいいんじゃないでしょーか。
 どうしてか夏って、冒険小説が読みたくなるんですよね。何故だろう、不思議です。

カクレカラクリ—An Automaton in Long Sleepカクレカラクリ
森 博嗣


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2007/06/27 (Wed) 00:25 | | コメントする(0) | Trackback(1)
 ついさっき、なんか宅急便が届いたわけですよ。

 心当たりが無かったので、一体なんだろう?と首を傾げてみたら。
 差出人の欄は株式会社フライト・プランで、品名の欄が賞品の2文字。

 ん?
 賞品?

 一体何が届いたのだろーかと開封してみたら、中身は、ドラゴンシャドウスペルの購入者アンケート回答者への抽選賞品だった「特製タツキフィギュア」でした。
 ちなみに公式サイトによると、こんなの。

 …………え、本当にこれ当たったの?
 サイトによると抽選100名へのプレゼントらしーのですがっ。
 そんなの、まさか当たるだなんて思ってなかったから、驚くどころの騒ぎではありません。てゆーか、そもそも、まだゲームクリアしてないような人間が当選してしまっていいのだろーか(汗)

 なんかまだ、いろいろ怖くて開封できてないんですが、アンケ葉書なんて物が当たらないの前提で出してたから、そりゃもうビックリですよ。
 ど、どうしよう。
 いやあ、その、いろいろ恐れずに書くなら、このフィギュアは正直20代のおなごの部屋に置くものではないので、処遇とか含めて「どうしよう」って感じなんですけどね。
 とりあえず、どうするか決めるまで、しばらく未開封のまま箱の中に入れ続けておこう……(ごそごそ)。

 それにしても、フライトプラン関係は、よく物が当たるなぁ。
 サモンナイトの方でも、テテのストラップとか、ジャンプノベルス表紙のポストカードセットとか、なんかいろいろ当たった気がする。
 不思議だ。他のメーカーでは、いいとこ日本一ソフトウェアから季節の挨拶葉書が届くくらいなのに、なんでフライトプランだけ……。

 あ、ドラゴンシャドウスペル自体は面白いですよ。他のゲームを遊んでるので終盤で止まってますが、ブラマトをベースにサモンナイトのいいところを足して、新要素を入れた感じで楽しいです。
 ちょっと複雑なルールが入ってるので、たまに頭ぐるぐるしますが、それはそれ(笑)解らないままでも十分に楽しめてますー。
2007/06/24 (Sun) 09:47 | ゲーム | コメントする(4) | Trackback(0)
まほろばStories(初回限定版:「アルエ」ピンキーフィギュア同梱) こんなゲームが出るらしいのね。
 「まほろばStories」。
 PS2のゲームで、初回特典版には「ピンキーストリート」のアルエフィギュア付き。
 ……ピンキーストリート好きで、前にわざわざピンキーのゲームの為にDSまで買った身としては、こっちも気になるのなんの。
 内容にはそんなに期待していないけど、それを言ったらキラミューの時は期待感0だったので、それに比べればまだ良いのかも?(笑)

 そんなわけで、忘れないうちにぽちっと予約。
 予約しなくても適当な店頭で買えそうな気はするけど、もしも買えなかったらガッカリすぎるからなぁ。

 ……さあ、それまでに積みゲを少しでも減らさなければ(こればっかり)。
 



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2007/06/21 (Thu) 23:11 | ゲーム | コメントする(0) | Trackback(0)
 生まれて初めて、整骨院というものに通ってます。

 や、最近、腰痛がとにかく酷くてつらいので、1度通ってみることにしたのですね。
 整体とかヨガとかタイ古式マッサージとか、この手の系統をいろいろと検討して、まあその、費用関係の都合上、とりあえず一番安そうな整骨院にチャレンジしてみることに。

 はりを打ったり、お灸効果のある機械(←熱が人工的に出る機械)を使ってみたり、あと電気を流してみたり……。
 どうも、私には、はりだと治療の刺激が強すぎるみたいで、反対に具合が悪くなってしまったんですが(汗)その他はけっこう順調に効いているみたいで、週2~3のペースで3週間くらい通ってみたら、2ヶ月近く痛んでいた腰が、割と落ち着きました。

 整骨院すごい。
 筋金入りの肩こりには、あんまり効き目なかったぽいけど(笑)
 この腰痛が治まってくれただけでも十分だわ。

 腰痛が治まったのは、少し運動を控えたのもあったかもしれないけど、実際整骨院に行った直後は状態が落ち着くんですよねー。
 もうちょっと通い続けてみたら、十年以上体に染み付いてる肩こりも、もうちょっと改善されるかしら……と、淡い期待を抱いてみたりして。
 まあ、1度行くと千円くらいするので、お財布の負担は大きいけれど、週1か2くらいでならば、これからも通ってもいいかもしれない。
 なにせ、あんまり辛いと椅子に座るのが苦痛だから、お仕事が大変ってのが一番の問題だし……(汗)
 肩こりの方は、あんまり改善しないようなら、整体とか別のものも検討してみようっと。
2007/06/18 (Mon) 23:42 | 雑記 | コメントする(2) | Trackback(0)
 いろいろ買い集めて、大体揃ったかなーと思ったら、オリジナルアルバムの中で、これだけ持っていない事に気付く。

 というわけで、おぼえがき。
 そのうち買ってくるのです。

DilettanteDilettante
ALI PROJECT


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2007/06/16 (Sat) 23:28 | 音楽 | コメントする(0) | Trackback(0)
 最近、「赤い夢の迷宮」を読んだせいか、本読みたい熱が再燃してきました。

黄金蝶ひとり という訳で、久しぶりに図書館に行って、ミステリーランドで未読のやつを借りてきました。
 今回読んだのは「黄金蝶ひとり」。太田忠司さんの本です。
 私の中では、いわゆる「名前は知ってるけど、読んだ事の無い作家」のひとりですね。というか、ミステリーランドは、そういうパターンが多いんですけど。まあ、これはこの本に限らず、そもそもミステリーランドではそういう事が多いんですけどね。

 ストーリーは、簡単に言うと「ひと夏の大冒険」。
 夏休み、それまで存在すら知らなかった「おじいちゃん」の事を知った主人公が、ひょんな事から祖父の暮らす山奥の村に行き、そこで経験する大冒険……てなストーリー。

 この本の面白いところは、今では見かけなくなってしまった「読者への挑戦状」的なページからはじまるところ。
 この部分は「本編とは違うんですよー」感を出す為か、紙の色が他と違っているのも面白いところですね。
 で、挑戦状の内容は「犯人はだれ?」じゃなくて、「この本を書いたのは誰?」なんですね。これの答えが、見事にエンディングと噛み合っていて、とても素敵な読後感なのです。これはいい。

 ミステリーランドは、読むたびに「自分が子供の頃に読みたかった」と、本気で思ってしまう本ばかりなんですが、今回もやっぱり、そういう本でした。
 読んでいる間、気分は夏休みの小学生。
 そういう気分になりたい時に、ぜひオススメの1冊です。

黄金蝶ひとり黄金蝶ひとり
太田 忠司


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2007/06/13 (Wed) 00:25 | | コメントする(0) | Trackback(0)
 「オーラソーマリーディング」……というサイトを、知り合いから教わりました。
 沢山のボトルの中から4つ、気になるボトルを選んでぽちっとやれば、その人の状態を鑑定してくれるという占いサイトです。

 こういうセラピーっぽい体験スクールの広告が、ホットペッパーに載ってるの見たことあるなぁ、なんて思いながら、面白そうだったので、なんとなーくやってみる。
 するとまぁ、なんていうかこう、結果が当たっているような気がするわけなのですよ。
 1本目は我ながらちょっと首を傾げましたが、2本目以降はこう、なかなかキッツい感じ(苦笑)

 面白かったので、結果をメモがてら載せてみますー。
>>続きを読む
2007/06/12 (Tue) 23:59 | 雑記 | コメントする(2) | Trackback(1)
 はやみねかおるさんという、児童文学の作家さんがいます。
 前にも、「亡霊は夜歩く」の感想とかを書いているんですが、子供向けのはずなのに、大人だって物凄く楽しめてしまう、そういう大人にも子供にも楽しい作家さん、なんですが。

 その、はやみねかおるさんが、作者名を漢字(勇嶺薫)にして新刊を出しました。
 レーベルも、いつもの青い鳥文庫じゃなくて、講談社ノベルス。
「はやみねかおるが大人向けミステリーを書いた!」が売り文句。

 それが「赤い夢の迷宮」です。

赤い夢の迷宮 というわけで、前置きが長くなりましたが、赤い夢の迷宮を読んでみました。
 冒頭、ヘリコプターで目覚める主人公のシーンから物語は始まります。なんか睡眠薬を飲まされてヘリに積まれたようですね。相手は70歳のオッサンらしいです。なんだ、どうしてだ、どういう関係だ?……と首を傾げている間に、他にも人がいることが紹介されます。みんな、ユニークなあだ名を持つ登場人物たちばかり。彼らはどうやら小さい頃の友達同士のようです。
「お化け屋敷」と彼らが呼ぶ洋館に到着した所で、物語は回想シーン……25年前の夏休み、子供の頃へと移ります。
 小さい頃に「事件」に遭遇した子供達の様子が描かれ、そして現在に至るまでが描かれたところで、時間は再び現在。
 台風が迫る洋館の中、悪天候に覆われて閉じ込められてしまう主人公達。そして、一人ずつ命を落としていく……。

 ……というストーリーなんですが、序盤の子供時代の描写が「いつもの」はやみねかおるっぽい文章だったので油断したら、終盤でがっつりやられてしまいました。
 これはなんていうか「はやみねかおる」を知っている人ほど面白い小説だと思う。知らない人には、このギャップを味わえないので、小説全体にある怖さが半減してしまうから。
 先入観無しで、ただの推理小説として読んだら、そんなにすごい作品かっていうと、もっと名作はいろいろあると思う。
 でも、そこのギャップ、落差でがっつりぶん殴られる感触が面白い作品なのね。あと、怖いは面白いってやつ。そんなに大した事は無いけど、そこそこゾッとするので、狂気っぽいのが苦手な方は避けるべし。確かに読み終わってみると、タイトルといい装丁といい、そんな感じの本だよなぁと思ったけど、読む前には思わなかったのは、やっぱり「はやみねかおる」効果なんだろうなぁ。

 私は最後の最後、終わりの2ページでカタストロフを食らったんですが、ちゃんと読む人だとどうなんだろうなぁ。いろいろ勘付きながら読むとまた違った印象になるのかもしれない。
 最後のオチというか、回答無しで終わっている部分の解釈が綺麗にできていないので、いろいろ考えながら、またぜひ読み返してみたいと、そう思う1冊なのでした。

「はやみねかおる」を何冊か読んだ上で、と前置きをつけた上で、オススメです。

赤い夢の迷宮赤い夢の迷宮
勇嶺 薫


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2007/06/10 (Sun) 12:21 | | コメントする(1) | Trackback(0)
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